Q扶養控除申告書に扶養親族の「精神障害者保健福祉手帳」を提示したうえで特別障害者の申請をしてこられた従業員がおられました。障害者等級は2級と表示されています。一般的に1級・2級は特別障害者、それ以下の等級は一般の障害者と判定されると聞いたことがあるので特別障害者として所得控除を適用してもよろしいでしょうか?
A お尋ねのような1級及び2級の障害者等級で特別障害者の控除が受けられるのは身体障害者手帳における取り扱いの場合です。「精神障害者保健福祉手帳」の等級については、1級についてのみ特別障害者控除の対象となり、2級、3級については一般の障害者控除の対象となります。以下に概要をまとめてみましたので執務の参考にしていただければと思います。
① 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者
ⅰ)特別障害者・・・・・精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある
者(成年被後見人)
ⅱ)障害者・・・・・・・知的障害者
ⅲ)確認方法等・・・・・医師の診断書等 登記事項証明書(成年被後見人)
② 児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター又は精神保健指定医
の判定により知的障害者とされた者
ⅰ)特別障害者・・・・・重度の知的障害者(療育手帳A)
ⅱ)障害者・・・・・・・知的障害者(療育手帳B)
ⅲ)確認方法等・・・・・療育手帳
③ 精神に障害がある者で、精神障害者保健福祉手帳を受けている者
ⅰ)特別障害者・・・・・障害者等級 1級
ⅱ)障害者・・・・・・・障害者等級 2級、3級
ⅲ)確認方法等・・・・・精神障害者保険福祉手帳
④ 身体障害者手帳に身体上の障害があると記載されている者
ⅰ)特別障害者・・・・・障害の程度 1級又は2級
ⅱ)障害者・・・・・・・障害の程度 3級以下
ⅲ)確認方法等・・・・・身体障害者手帳(手帳を交付申請中の者は医師の診断書等)
⑤ 戦傷病者手帳の交付を受けている者
ⅰ)特別障害者・・・・・障害の程度 特別項症から第3項症まで
ⅱ)障害者・・・・・・・障害の程度 第4項症以下
ⅲ)確認方法等・・・・・戦傷病者手帳
⑥ 原爆被爆者のうち、現に医療を要する者として、厚生労働大臣の認定を受けている者
ⅰ)特別障害者に該当する。
ⅱ)確認方法等・・・・・厚生労働大臣の認定書
⑦ 判定時において、引き続き6ケ月以上にわたり就床を要し、介護がなければ自ら排便等
ができない状態にある者
ⅰ)特別障害者に該当する。
ⅱ)確認方法等・・・・・医師の診断書等
⑧ 精神又は身体に障害のある年齢65歳以上の者で、市町村長等の認定を受けている者
ⅰ)特別障害者・・・・・障害の程度が上記①②④の特別障害者に準ずる者
ⅱ)障害者・・・・・・・障害の程度が上記①②④に準ずる者のうち、特別障害者に
該当しない者
ⅲ)確認方法等・・・・・市町村長等の証明書
(参考)障害者控除の金額(所得税法上の金額)
障害者・・・・・・・・・27万円
特別障害者・・・・・・・40万円
同居特別障害者(※)・・・75万円
※同居特別障害者とは、特別障害者である控除対象配偶者や扶養親族で、自己
や配偶者、生計を一にする親族のいずれかとの同居を常としている者。
注)障がい者とゆう用語について、法令上「障害者」とゆう表記を使用しているため、本稿においては「障がい者」ではなく「障害者」とゆう表記を使用しております。